夫婦の協力扶助の義務 (鶴田)

福岡 離婚民法にこの夫婦の大原則が定められています。

いろんなことが夫婦で起こるでしょうが、必ず夫婦で助け合い、戒め合い、励まし合い、二人で力を合わせて人生を歩みなさい!

簡単に言えばこういうことが書いてあり、婚姻届に印鑑を2人で押したら、この義務を果たすことを承知したことになっています。

扶養の義務・・・これは力のある方が弱い方を支えていくこと!
ということで、親が未成年の子を、子が老いた親を養っていくという、力に差がある関係です。

扶助の義務・・・これは対等な夫婦が協力してお互いを補うこと!
例えば、専業主婦の妻が家事全般を受け持つことで、夫は仕事に専念でき、その代わり金銭的なことでは夫が妻を扶養して行かなくてはなりません。

その間、夫婦げんかもあるでしょうし、妻や夫に困ったこともあるでしょう。
 
そんな夫婦の諸々の出来事も夫婦で協力し、切磋琢磨して解決してくださいということです。

離婚となった場合、理由はあるでしょうが、この夫婦は協力扶助の義務が果たせなかった夫婦で、最初は、夫婦のどちらもが裁判所から見たら×なのです。

離婚の申立てのスタート時点では夫婦の過失割合5050から始まります。

 「夫が会社の部下の女性と浮気をしていたから離婚です!」
    夫の不貞行為が加味されて過失割合が8020になりました!

 「勝気な妻が毎日私を罵倒し、ずっと夫婦関係も拒否されてました!」
    妻の過失と、夫婦関係が既に破綻していたことで6040に修正されました!

上記は極端な例ですが、このように協力扶助の義務がベースにありますので、
離婚に関します過失割合は交通事故のように100などはありえません。

過失相殺的な要素が加味されますので、過失に応じた慰謝料は思ったより少ない
50万円から200万円程度の金額が多くなるわけですね。

離婚調停の時に、妻が怒りにまかせて、浮気をした夫のそれ以前の日常の行動についても罵倒し、誹謗中傷される方が結構多いのですが、
その場合に裁判所は

“この夫婦は、夫の不貞行為以前から既に破綻していた”

とみなされてしまい、先ほどの例のように夫の過失部分の軽減の要因となってしまいますから、
幸せで円満な夫婦生活だった
のに突如、夫のこの不貞行為により、幸せが一瞬にして崩壊してしまい、その後の夫に反省の様子もなく、もはや婚姻は継続しがたいということにした方がいいですね。

協力扶助の義務に則って最後の最後まで夫婦関係の修復に努力したという実績作りは必要なのです。
かっとなって離婚を叫んで、高額な慰謝料の要求をその場で口にしてはいけませんよ。

浮気をしてしまったご主人の側は、この逆の考えをしていけばよいことはお分かりですよね。

夫側は体裁の悪さからや、やり直したいが故に
兵糧攻めにしたりなどの感情に任せた行動をとってしまうとやぶ蛇になってしまうこともありますから注意してくださいね。

“弱いものいじめをする夫” と裁判所から思われ、その後にどのような大義名分をつけても不利になることは否めませんよ。

妻側も浮気ギャンブルをした夫に強制的に抑圧的な念書に記名、押印の上で、屈辱的な内容の謝罪文を書かせて、それを裁判所に誇らしげに提出される方がおられますが、これもまたやぶ蛇になってしまいます。

「無条件で離婚に応じ、全財産は妻のもの」とか「罰金○○万円」「養育費は請求しない代わりに子供との面会は一生しない」などの法的に無効な約束事も強制させる内容が多いので、裁判所は従前より妻は夫に対して高圧的で、かつ抑圧的だったと推定をしてしまい “支配的で夫を慈しまない妻” であったとみなされる恐れがあります。

養育費も面接交渉権も子が持っています特有の権利ですので “いらない” “会わない” など母親が勝手に決めても無効ですし、夫から面接交渉の調停が起されたらそれまでです。

これでは相手方の法定の離婚原因の過失に対して、妻はその以前から協力扶助の義務を果たさずに恒常的に隷属させていたとして過失相殺されるかもしれませんよ。

どうしても妻や夫の浮気暴力借金ギャンブルモラハラDV・・・・・・などが発端の
絵に描いたような離婚原因を受けた側は自身の過失や、夫や妻として足りなかったことなどを省みる余裕などはないのは当然です。

しかし、相手方は 「私が浮気したのは夫の私への優しさがなかったから・・」 とか

「私が暴力を振るったのは妻が私の仕事への理解がなかったから・・」 など

立場は有責配偶者とは云え必ず大義名分を持っているはずです。

離婚調停では、申し立てた側は相手方に法的な有責性があれば、裁判所が一方的に夫や妻を懲らしめてくれて、財産分与や慰謝料をガッポリ取ってくれると思われている方が意外と多いですね。

前述しましたが裁判所は、常に客観的な判断を下しますので双方の言い分に平等に耳を傾けます。
離婚調停でも、離婚協議でも、同じように客観的に夫婦を見つめて対応していくべきです。


私の場合は妻側からの調停申立てを受け、妻の代理人である弁護士が声高に私のことを裁判所にて罵倒していました。
依頼者からの言い分や実情を聞いて、代理人として依頼者の勝利のために当然のことだと思います。
調停を受けた側ですので、家裁から見たら当初の私は “悪者” でしたね。
私は弁護士を相手にしての誹謗中傷合戦をすることを極力避けました。

何度もこのHPで申しておりますが “是は是” “非は非” という考えで、私の18年間の結婚生活での自身の “非” につきましては認めるべきものは率直に認め、真摯な態度で謝罪をすることから調停に臨みました。
しかし、私の立場にて主張すべきことを徐々に言葉を選びながら陳述書や口頭にて述べていきました。
半年に及ぶ調停で、少しずつ調停委員や家庭裁判所調査官の私を見る目が変わっていくことを肌で感じました。

最終的には、調停でのお互いの主張が乖離しておりましたので、離婚審判での裁決が下りました。
「甲(妻)と 乙(私)の婚姻は既に破綻していると云わざるをえないので甲と乙に離婚を命ず」 「2人の子等の親権は乙(私)と定める」 という裁決が下り、その他に慰謝料などを命ずるものはありませんでした。
妻側の弁護士は即座に異議申し立てをおこない、審判は無効となり、その後また振り出しに戻り、無意味な時間がさらに半年以上流れていきました。

最終的には相手方の弁護士が協議離婚に応じてくれまして、審判の内容での離婚と、持ち家や預貯金などの財産分与を均等に按分することで協議が成立いたしましたが、私たち夫婦に最初の離婚という話が出ましてから、足かけ3年近くの時間が流れていました。



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